流れる雲を数えて


                    夢を追いかけて少年は 都会の街へと旅立った
                   汽車の窓から故郷の 景色が少しずつ遠ざかる
                   見送るあの娘の姿もだんだん小さくなり
                   ちょっとセンチになって涙が頬をつたう
                   迷いも何もないけれど 不安がないといえば嘘になる
                   今は何も考えず 車窓に映る景色をながめよう

                   そして2年の時が流れ 都会の暮らしも慣れてきて
                   飾ることを覚えてきた 世間のずるさも覚えてきた
                   たまに夢見るよ 見送りに来たあの娘の姿
                   自分を変えたいともがくけど 何もできず
                   流されてゆく生活が続く 何の変哲もない毎日
                   好きなギターを弾くことさえ ふっと気がつけば忘れてた

                   更に2年の時が流れ 後悔と挫折を繰り返し
                   都会の街を離れてゆく 都会のネオンが遠ざかる
                   故郷を離れ 気がつけば4年経っていた
                   故郷に残したあの娘は今 どうしてるだろう?
                   そして故郷の駅に降りたち 深呼吸して背伸びをした
                   その瞬間この街は僕を 受け入れてくれた そんな気がした

                   降り注ぐ陽射しと風の香りが とてもここちいいから
                   この草原に横たわり 流れる雲を数えていたい
                   流れる雲を数えていたい








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